先週は、桁外れの大型案件、SNS世界最大手のフェイスブックがついにIPOを申請しました。時価総額は1,000億ドル(約8兆円)と言われており、アクセル・パートナーズなど初期の段階からフェイスブックに投資をしていたベンチャーキャピタルやヘッジファンドは莫大な収入を得そうです。
フェイスブック株に投資していたファンドマネージャーの1人が、ブルームバーグが発表する2011年のヘッジファンドリターンランキングで第� ��位を獲得した、タイガー・グローバルを創業した36歳のチェース・コールマンです。運用資産は60億ドル(約4,620億円)で、昨年3割上昇したアップル株を持っていたことが勝因で、多くのファンドが苦戦した2011年において年率45%のリターンを叩き出しました。今年も、フェイスブックへの投資などから高いリターンが期待できそうです。
料理は、リストを下回る
このチェース・コールマンは、1990年代の後半に世界最大級のヘッジファンドであったタイガー・マネジメントで、創業者のジュリアン・ロバートソンのもとで働いていたタイガーの子供たちと呼ばれるファンドマネージャーの1人です。
ジュリアン・ロバートソンは、1980年に48歳で自己資金800万ドル(約7.2億円)で自らのファンドを立ち上げ、ファンドを解散する2000年までの20年間で、平均リターン約32%と驚異的な実績を残しました。最盛期には、約300億ドル(約2.4兆円)を運用していたヘッジファンド草創期の巨人です。
ロバートソンは、企業のファンダメンタルズから割安株をロングし割高株をショート する手法によって大きな利益を上げました。また、その類まれなる投資の才能だけではなく、タイガー・マネジメントのもとで働き、その投資スタイルを引き継いだファンドマネージャーたち、つまり先ほど紹介したタイガーの子供たちの多くが優れた実績を残していることからも、ファンド業界で尊敬を集めています。
私の家のコストはどのくらいですか?
タイガーの子供たちの1人、フォックス・ポイント・キャピタルの創始者、チャールズ・アンダーソンも昨年に30%のリターンをあげました。欧州の金融機関やアジアのテクノロジー株のショート(空売り)を行うことで2011年に大きなリターンを得たようです。
他にも、ジョナサン・アウアーバッハが運営しているハウンド・キャピタルも年率19%のリターンと優秀な成績でした。太陽光発電会社を中心としたショート戦略が成功したようです。
このように、ジュリアン・ロバートソンの元でその投資哲学を学んだタイガーの子供たちは、ロバートソンが得意とした株式ロング・ショート戦略により、多くのヘッジファンドが苦戦� �た2011年においても優秀な成績を残しています。
ヘッジファンドは個々のファンドマネージャーの才能に依存していることが多く、世代交代に苦労しているファームが多いようですが、ロバートソンは後継を育てることに成功した稀有な例と言えるでしょう。
家主は口頭でリースを使用したくない理由
ブルームバーグのランキングで第2位を獲得した、年率リターン33%のルネッサンス・テクノロジーズも、2010年の創業者ジェームズ・シモンズの引退後にリターンが低下するのではと心配されましたが、昨年のリターンは絶好調で、5年ぶりに新しいヘッジファンドも立ち上げました。
ランキングで第3位を獲得した世界最大のファンド、ブリッジ・ウォーターを運用するレイモンド・ダリオは現在60歳を超えておりますが、未だ現役です。きちんと文章化された彼の教えは、徹底して社員にたたきこまれており、引退後も安定した運用が期待できます。
昨年は、ヘッジファンドの巨匠たちが成績の上位を占めた年でし� �が、昨年の厳しい相場で生き残った腕の良い新星ヘッジファンドマネージャーたちが、引き続き高いリターンを上げることができるのかが今後の注目です。
S&S investments
岡村 さとみ
■プロフィール
早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
0 件のコメント:
コメントを投稿