~いま、私たちにできること
地球温暖化をはじめとした環境問題はますます深刻さを増しています。
このコーナーでは、環境負荷を低減するためにエプソンが取り組んでいる活動を紹介します。
使っていないときも省エネ・・・!?
~欧州規制ErP指令への対応
環境に対する意識が高い国や地域といったら、ドイツをはじめヨーロッパ地域が挙げられるでしょう。人々の意識の高さはもとより、社会のしくみそのものが"環境に配慮"するようにできているのです。環境に関する規制や法律もそのひとつです。有害物質の使用制限を定めたRoHS指令やREACH規制など耳にしたことがあるでしょう。また、製品の環境配慮設計を義務付けるErP指令が新たに実施されます。そのなかで"消費電力"にも規制がかかります。
新たな規制 環境配慮設計を求めるErP指令
シャフトの疲労
ErPとは、Energy-related Productsの略。エネルギーを直接使用している製品はもちろん、エネルギーに関連する製品全般を対象に環境配慮設計を義務付けるもので、2009年10月31日付け官報で公表されました。ErP指令は2005年に制定されたEuP指令(エネルギー使用製品のエコデザインに関する指令)を改定したもので、製品の開発・設計、生産、お客様の仕様から廃棄にいたるまでのライフサイクル全体を通して、環境への負荷を低減するために製品の設計段階から規制しようとするものです。しかし、ErP指令は"枠組み指令"とも呼ばれ、基本的な考え方やプロセスなどを示しているだけです。具体的な要求事項や規制値などは、製品群ごとに調査・検討が重ねられ、決められていきます。
では、対象となる製品を見てみましょう。テレビやパソコン、プリンターなどの画像機器やプロジェクターなどの音響・映像装置など、30品目にものぼる製品がLot.と呼ばれる検討グループに分けられています。また、なかには個別の製品だけではなく横断的に複数の製品群に関する内容も検討されています。そのひとつが"スタンバイ(待機)モード・オフモードの消費電力"※の規制値を定めているLot.6です。もう少し詳しくみていきましょう。
ErP指令の具体的な要求事項の検討グループ(各Lot)、予備調査の進捗、主管当局
意外に多い待機中の消費電力
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使っていないときにも電力を消費している・・・ 知っていましたか? たとえば、テレビなどをリモコン操作でスイッチOFFにした状態。たとえばPCを使用中に席を離れると、自動的に画面が暗くなる状態。これらは、スタンバイ(待機)モード、あるいはオフモードといって"すぐに再使用できる状態"="待機状態"を保っているため、少なからず電気を消費しています。これらの状態で消費する電力を総称して待機電力と呼びます。このスタンバイ(待機)モード・オフモードでの年間総消費電力量は、EU全体で2005年になんと470億kWhも占めていたそうです。この値を削減することを目的に、待機電力(Lot.26で規定されるネットワークスンバイを除く)を段階的に規制するのがLot.6です。その実施の第1段階は2010年1月から待機電力� �1W以下に制限するというもので、さらにその3年後の2013年には、第2段階として待機電力を0.5W以下に、加えて"パワーマネジメント(電力管理)機能"の搭載が求められることになりました。パワーマネジメント機能というのは、利用者が一定時間その製品を使用していないと判断した場合に、自動的に消費電力を0.5W以下に落とすというものです。つまり電気製品が"今、使われていないな"と判断して自動的に省エネモードになるという機能です。
さて、エプソンではこの待機電力の規制に対して、どう対応しているのでしょうか?
プリンターでは・・・
オフモード電力にいち早く対応
どのくらいのアルミフェンスコストのでしょうか?
第1段階での要求事項であるオフモードの消費電力1Wという値は、当初、大判インクジェットプリンターのオプションの一部で規制値を満足していませんでしたが、2010年のErP施行に合わせた設計変更で対応することができました。インクジェットプリンターは、省エネに関しては今までもかなり力を入れてきており、オフモード電力の規制値は大きな問題にはなりませんでした。ErP指令の枠組み制定のための意見出しなど、早い段階から参画してきたこともあり、オフモード電力目標を0.5Wに設定し、いち早く取り組むことができました。たとえば、2008年に発売したEP-901シリーズの企画段階のオフモード電力見込みは0.6Wでしたが、設計変更を行い、欧州向け0.5Wという値をクリア。第2段階のパワーマネジメント機能は、技術的に自動オフ� �対応することは可能ですが、ネットワーク等の使用環境に解決すべき課題があります。
EP-901A
お客様の使い勝手と遵法の両立に取り組む
レーザープリンターでも、オフモードの消費電力0.5W以下という値は達成しているものの、スタンバ(待機)モードで0.5Wは厳しく、さらに、ネットワークの接続状態となるとかなりハードルが高い要求だといえます。ネットワーク環境で使用されることの多いプリンターでは、パワーマネジメント機能により"電源がオフ"になると非常に使い勝手が悪くなってしまいます。「法規制の遵守のために、お客様の使い勝手が悪くなってはいけない」そんな想いをもって、ユーザビリティと遵法を両立させるという大きな課題に日々取り組んでいます。
印刷中
スタンバイモード
プロジェクターでは・・・
1/10という目標に全員で取り組む
「待機電力を1W以下に抑えるというのは非常に大きな課題でした」と話す担当者。というのも、プロジェクターはほかの商品に比べて消費電力が大きく、従来機種の待機電力では5W以上の製品もあったといいます。それを0.5Wと1/10にまで抑えるというのは非常に大きな取り組みでした。プロジェクターは本体の小型・軽量化を目指して新商品を出してきましたが、待機電力を抑えるためには従来の電源や回路では対応できません。EB-X8シリーズでは、設計から見直すことで、小型・軽量化を進めたうえ、待機電力を230V使用時で0.5W以下にすることができました。これは、企画・開発・設計から調達・製造まで、事業部一丸となって取り組んだ成果です。もうひとつの課題のパワーマネジメントについては、プロジェクターに既に備えられて� ��る「入力信号が無い状態で設定時間後にスタンバイ(待機)モードに移行できる」という機能で対応が可能です。
待機電力(230V使用時)
※スタンバイ(待機)モード、オフモードとは・・・ネットワーク機能やリモコンの有無で若干の違いはありますが、おおまかには、「スタンバイ(待機)モード」は、電源スイッチが入っていて、一定時間、無動作が続いた後に自動的に入る電力節減状態、「オフモード」は、電源スイッチを切った状態(ただしプラグはコンセントに差し込まれている) のことをいいます。
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